AIの急速な発展により、セールスフォースやアドビといった大手SaaS企業の株価が下落しています。「SaaSの死」とまで言われるこのトレンドについて、伊藤氏が冷静な視点から分析し、SaaS企業の生き残り戦略を語っています。
SaaSは本当に不要になるのか?
AIエージェントやコーディングツールの進化により、SaaSが不要になるのではという懸念が株価に反映されています。しかし伊藤氏は、現時点では「株価が先取りしすぎている」と指摘します。実際にセールスフォースの売上は前年同期比10%増と堅調であり、業績自体が落ちているわけではありません。
SaaS企業が取るべき3つの戦略
伊藤氏は、SaaS企業の生存戦略として以下の3点を挙げています。
- AIファーストの開発姿勢:かつてYahooが「スマホファースト」を打ち出してPC依存から脱却したように、SaaS企業も新規開発をAI前提で進める必要があります。ラクスルの未上場化もAI投資が理由の一つと考えられます。
- 既存データ資産の活用:AIだけでは全てを代替できません。現実には紙の領収書や多様なレジシステムなど、デジタル化されていないデータが大量に存在します。そうしたデータを蓄積・整理する機能は、SaaSの強みとして残ります。
- AI機能の積極的な追加:ZoomがAIによる議事録・タスク管理機能を充実させているように、既存プラットフォームにAI機能を載せて付加価値を高めることが有効です。GitHubもAIコーディング機能の組み合わせで売上を伸ばしています。
課金体系のイノベーションが鍵
SaaSの本質的な革新は、高額なオンプレミスに対する課金体系の変革にありました。AI時代にも同様に課金モデルが変わる可能性があります。例えば10人で使っていたSaaSをAI1アカウントで代替できるなら、ユーザー課金からトランザクション課金へ移行するかもしれません。
結論として伊藤氏は、AIに対応できているSaaS企業はむしろ「AI時代の勝者」になる可能性が高いと述べています。一方、AI投資に手を打てない企業は淘汰される厳しい時代でもあると指摘しました。
SaaSAIセールスフォースビジネスモデルスタートアップ戦略
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